京都といえば、寺社仏閣や伝統文化、静かな町並みを思い浮かべる人が多いかもしれません。
しかし、実は京都はラーメンの街としても全国的に知られています。
京都市内には多くの人気店がひしめき、その中でも特に有名なのが、京都市左京区にある一乗寺(いちじょうじ)エリアです。
この一角には、わずか数百メートルの通りに十数軒ものラーメン店が立ち並び、昼夜問わず行列が絶えません。
ここはまさに、ラーメンファンにとっての“巡礼地”と言えるでしょう。
一乗寺とはどんな場所?
一乗寺は、京都大学や京都工芸繊維大学にほど近い学生街。
学生向けのボリューム満点な食文化が根付き、自然と個性豊かなラーメン店が集まりました。
今では、老舗の名店から新進気鋭の実験的ラーメンまで、全国のファンが注目する激戦区へと進化しています。
駅前から東大路通にかけてのエリアには、ラーメン店が軒を連ね、まるで「ラーメン商店街」のような光景。
休日には県外ナンバーの車や観光客の姿も多く、ラーメンの名所として定着しています。
一乗寺で味わいたい注目のラーメン店二選
- 麺屋 極鶏(ごっけい)
- “スープを食べるラーメン”と評されるほど、ドロドロの濃厚鶏白湯スープが特徴。こってり好きにはたまらない一杯です。開店前から行列ができるほどの人気店です。
- 高安(たかやす)
- 白濁した豚骨スープに中太麺が絡む一杯。濃厚ながらもマイルドで、万人に愛される味わい。巨大な唐揚げとのセットメニューも名物で、学生客を中心に賑わっています。
この2店舗以外にも魅力的なお店がたくさんあります。またこのエリアの面白さは、店ごとにまったく味の方向性が異なること。
“超濃厚系”から“昔ながらの中華そば”まで、京都ラーメンの進化系を一度に味わうことができるのが一乗寺の醍醐味です。
一乗寺へのアクセス
京都駅から一乗寺までは、市内中心部から少し北東方向。
観光地の銀閣寺や詩仙堂にも近く、アクセスも意外と簡単です。
🚌 バスでの行き方
京都駅前のバスターミナルから京都市バス206系統に乗車し、「高野」バス停で下車(約45〜50分)。
停留所から徒歩数分で有名店が立ち並ぶ通りにアクセスできます。
🚃 電車での行き方
- 京都駅 →(JR奈良線)→ 東福寺駅
- 東福寺駅 →(京阪本線)→ 出町柳駅
- 出町柳駅 →(叡山電鉄叡山本線)→ 一乗寺駅
所要時間は約30〜35分。
一乗寺駅からラーメン通り(東大路通)までは徒歩5〜7分ほどで到着します。
叡山電鉄の小さなローカル電車に揺られて行く道中も、京都らしい風情がありおすすめです。
京都駅周辺でもラーメン巡りが楽しめる
一乗寺まで足を延ばすのが難しい人も、京都駅周辺にも名店が集まっています。
🍜 京都拉麺小路(らーめんこうじ)
京都駅ビル10階にある「京都拉麺小路」は、全国各地の人気ラーメン店が集結するラーメンのテーマパーク。
北海道から九州まで、ご当地ラーメンの食べ比べができる人気スポットです。
例えば、札幌の味噌ラーメン、博多のとんこつ、東京の醤油、そして京都の老舗など、
日本各地の味が一か所で楽しめるのが魅力。
店内は清潔で広く、家族連れや観光客にも利用しやすい雰囲気です。
観光や新幹線の待ち時間にも立ち寄りやすく、駅ナカで完結するラーメン旅を楽しめます。
🍥 京都駅前の2大名店 ― 第一旭と新福菜館
京都駅のすぐ近くには、京都ラーメンの礎を築いた2つの老舗が並び立っています。
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本家 第一旭 本店
- 1953年創業。醤油ベースのスープに中細麺、そして丼を覆うように盛られたチャーシュー。 京都ラーメンの王道スタイルで、朝7時から営業しており、出張前や旅行帰りの一杯にも最適。
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新福菜館(しんぷくさいかん)本店
- 濃いめの黒いスープが印象的な京都ラーメンの元祖。 スープの色は濃いですが、意外にまろやかで飲みやすく、チャーハンとの相性も抜群。 “黒いチャーハン”を目当てに訪れる人も多い名店です。
この2店は隣り合うように並び、どちらも朝から行列必至。
「第一旭派」「新福派」と分かれる京都人の会話は、まるで地元文化の一部のようです。
京都の街で味わう“もうひとつの文化体験”
京都のラーメンは、ただの食事ではなく、文化そのもの。
古都・京都ならではの「新旧の融合」が、ラーメンにも息づいています。
一乗寺で個性派を食べ比べるもよし、京都駅で全国の味を楽しむもよし。
観光の合間に立ち寄るだけでも、京都の“食の奥深さ”を実感できるでしょう。
お寺巡りや街歩きの合間に、ぜひラーメンの香りに誘われてみてください。
きっと、京都の新しい魅力を見つけることができるはずです。
